No.4008

ノーアザーランド
#映画


2023年10月『以前』のパレスチナ自治区とイスラエルによる占領の姿を捉えた本ドキュメンタリーは、アカデミー賞にノミネートされたことで俄かに注目が集まっている。
イスラエルによるジェノサイドは2023年10月以降、あるいはナクバを初めとする虐殺から語られることが多い中、本作は語られることの少ない『日常』となってしまったイスラエルによるヨルダン川西岸の入植、軍用地化、つまりパレスチナの家屋の破壊及び住民に対する暴力を記録したものだ。そこではイスラエルの裁判所の決定で、100年、200年、その土地に住まう人々の家屋が『軍用地』に建てられた違法建築とされ取り壊され、大工道具が奪われ、発電機を取り返そうとし撃たれる人の姿が映っている。
しかし彼らはその土地を離れない。そして外から来たジャーナリストの目に、彼らの姿は強いものに映る。しかし彼らが土地を離れないのは、ここが帰る土地だからだ。
イスラエル人であり、ユダヤ人でもある監督は、映像の中でパレスチナ人である共同監督に問いかけられる。家に帰るんだろう。と。そしてその通り、彼にはイスラエルの家がある。
そしてそれは、この映画を観ている私も同じである。と突きつける映画でもあった。▲たたむ

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