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#フルジャズ
未満。
学生への性的画像閲覧強要が含まれます。
フラッシュバック等の危険を感じる方は閲覧をおやめください。
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「ジャズ〜〜〜ちょっとこっち来いよ」
そのダミ声を聞いた途端、ジャズはあからさまに顔を顰めた。呼ばれた先には酒を飲み楽しそうにゲラゲラと笑う客がいる。フルフルに騙されこの店で働くのも2週間目ともなれば、嫌でも馴染みの客というのは出来てくる。今回呼ばれたテーブルに座っていたのはあからさまな素人をこの店に引き摺り込んでイカサマを働くみみっちい客で、態度のデカさの割に安くて度数の高い酒をちびちび飲んで騒ぐため、他の従業員からの覚えも良くない。
そのくせジャズとアロケルの名前を覚えるのは早いのだ。
「……なんすか」
重い足を引き摺りながら、ジャズは彼の席に近づいた。近づいた途端に肩を組まれて引き寄せられ、酒臭い息を吹きかけられる。
「注文ないなら仕事に戻りたいんすけど」
「まあそう言うなよ。いいもん見せてやるからさ」
はあ? とジャズが口にする前に、目の前に男のス魔ホが突き付けられた。そこに映っている映像を理解した瞬間、カッと頭に血が昇る感覚がした。
「なっ………!」
思わず立ち上がったジャズに、男がゲラゲラと笑い転げた。
「なんだあジャズ、お前童貞か?」
客のス魔ホに映っていたのはいわゆるポルノ動画と呼ばれるものだった。一目でそうとわかる扇状的な姿で身体を揺らし、嬌声を響かせる。
ジャズは男を睨み付けた。ジャズとてその手の映像を見たことがないわけでない。兄の所有物をこっそりと再生したこともある。しかしまさかこんなところでいきなり見せられるとは思っていなかったのだ。
未だ笑い転げる客を怒鳴りつけてやろうとしたジャズは、しかしふっと暗くなった己の視界に、息を飲んだ。
「何見てんノ〜〜」
にゅうと。
ジャズの背後から伸びてきたのは、鍛えられた赤い腕だ。その手が客のス魔ホを掴む。
「ふうん」
振り向けば、思いの外近い距離にいたのはフルフルだ。彼はス魔ホに映った動画を面白くなさそうに一瞥し、ニパリと笑った。
ゾッと、肌が泡立った。
無意識に逃げようとしたジャズの肩を、フルフルが捉える。
ふと見れば、客はもう笑ってはいなかった。
フルフルが口を開ける。
「ダメヨ〜〜。こんなの見せちゃ。こいつらこれでも現役のバビルスの学生ヨ」
子供悪魔ヨ。とフルフルは言う。そんな子供騙してこんなところで働かせているのは誰だ。という言葉は、しかしジャズの口から出てこなかった。
寒気がする。
「バビルスの生徒はバビルスの宝」
そしてバビルスにはその宝を守る者たちがいる。
「特にこんなもの見せたってバビルスの犬に知られたラ」
どうなるか。
「わかっててやってるよ、ネ」
場が凍った。
「すんませんでした!!!!!」
真っ先に動いたのはジャズに動画を見せた客だった。土下座をし、床を舐めんばかりである。
「謝るのは俺にじゃなくてバビルスの宝にヨ〜〜。まあ良い機会だし」
いつの間にいたのか、他の従業員が客を取り囲んでいる。
「今までのことも合わせて、ちょっと怒られてきたら良いヨ〜〜」
「あ」
ああああああ。と情けない声を上げながら、客が引きずられていく。ジャズはその姿が店の奥に消えたのを見届けた後、フルフルを見上げた。
兄の同類の悪魔の顔が、やはり思ったより近い位置にある。
「な、に」
ジャズは思わず身構えた。てっきり揶揄われるものだと思ったのだ。
しかし予想に反して、フルフルは何も言わなかった。ただやはり面白くなさそうな顔をしたままジャズから離れ、そのまま店の外に出てしまった。
なんだったんだ。とクエスチョンマークを浮かべるジャズのそばに、アロケルが近づいてきた。「大丈夫カ」
「あ、うん」
「ジャズ」
呼ばれて顔を上げれば、マスターが手招きをしている。呼ばれるがままに近づけば、そのまま少しの間をおいた後、大丈夫?と言った。
「いや大丈夫ですけど、なんすか」
「悪かったなと思ってさ。客のセクハラ止めらんなかったのは俺の責任だからさあ」
「別にあれくらい」
「あれくらいじゃないでしょ」
「そう思うなら、俺らが他の客に殴られそうになった時にも助けて下さいよ」
言えば、マスターはわははと笑った。
笑って、今日はもう二人とも下がって良いよ。と言った。
「そんで、次からあの手の手合いは俺らに言って。ここは賭けも詐欺もイカサマも許可してるけど、客へのお触りやその他のセクハラは全面禁止だから。そういう店じゃないし、そういう店でもあれはルール違反だけどね」
今日は早めに寝なね。と言って、マスターはジャズとアロケルの背を押した。
二人はそれに逆らわずに客が連れられて行った方とは別の部屋に引っ込んだ。
その気配がすっかりと消えたのを確認し、マスターは己のス魔ホを懐から取り出した。
連絡先はフルフルだ。
電話はせず、文章のみで簡単に報告を済ませ一息吐く。
慣れないことだとマスターは思う。正直なところ、疲れるのだ。しかし同時に、子供を預かると決めたのは自分だも思う。子供悪魔にはいささか不適切な環境での特訓だが、バビルスとの連携はきっちりとしている。
故に、ルールは普段よりも厳格で、もちろん客にもそれを伝えて納得ずくで守らせている。故に今日の客の行為は店側からすれば予想外だった。そうしたルール破りの後、何が起こるかわかっていて破る客はそうそういないからだ。失敗したと思う。本来ならそうしたことが起きる前に防がねばならぬ出来事だった。
フルフルからしてもそうだっただろう。
良い師匠だよ。と思いながら、マスターはちょうどス魔ホを震わせたフルフルからの返信を確認した。
脳裏に浮かぶのは先程見たばかりの馴染みの軍人の顔だ。あれはよほど腹に据えかねているのだろう。あんな顔は初めて見た。それを引き出したのがちんちくりんの子供悪魔であるのがいささかおかしいが、しかし師匠とはそういうものかと思いながら、マスターはちょうど扉を開けて入ってきた客に向き直った。
師匠以外の理由があったのだと知るのは、それから十数年後のことだった。
書いたは良いけど普通に最悪シチュエーションだな……と思ったので供養。
フルフルが子供に手を出すかと言われるとあの悪魔普通に利害や損得計算きっちりしてその上で動くだろ。って思うので手は出さないし、子供にそうした興味も全くもたなさそう(むしろ子供は面倒と思いそう)とは思うので、まあくっつくにしてもよほどのことがない限りなさそう。とは思いつつ、書きたいからお試しで書いたやつ。
最初は複数人の客が恋人の際どい写真を仲間内で回してゲラゲラ笑っているという最悪コミュニケーションに巻き込まれるジャズだったんですが、書いてて最悪モブすぎるし普通に恋人で箔付したホモソちんこチャンバラ書いてて最悪の気分になったのでやめた。なんでわざわざそんな最悪モブ書かなあかんねん。
バビルスの宝でなくとも子供でなくても性別がどうであれセクハラはセクハラなんですが、バビルスって言われて途端にビビるシチュも最悪だなって……その上で子供は守らなければならないんですが
▲たたむ
2023.09.20 00:23
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「ジャズ〜〜〜ちょっとこっち来いよ」
そのダミ声を聞いた途端、ジャズはあからさまに顔を顰めた。呼ばれた先には酒を飲み楽しそうにゲラゲラと笑う客がいる。フルフルに騙されこの店で働くのも2週間目ともなれば、嫌でも馴染みの客というのは出来てくる。今回呼ばれたテーブルに座っていたのはあからさまな素人をこの店に引き摺り込んでイカサマを働くみみっちい客で、態度のデカさの割に安くて度数の高い酒をちびちび飲んで騒ぐため、他の従業員からの覚えも良くない。
そのくせジャズとアロケルの名前を覚えるのは早いのだ。
「……なんすか」
重い足を引き摺りながら、ジャズは彼の席に近づいた。近づいた途端に肩を組まれて引き寄せられ、酒臭い息を吹きかけられる。
「注文ないなら仕事に戻りたいんすけど」
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はあ? とジャズが口にする前に、目の前に男のス魔ホが突き付けられた。そこに映っている映像を理解した瞬間、カッと頭に血が昇る感覚がした。
「なっ………!」
思わず立ち上がったジャズに、男がゲラゲラと笑い転げた。
「なんだあジャズ、お前童貞か?」
客のス魔ホに映っていたのはいわゆるポルノ動画と呼ばれるものだった。一目でそうとわかる扇状的な姿で身体を揺らし、嬌声を響かせる。
ジャズは男を睨み付けた。ジャズとてその手の映像を見たことがないわけでない。兄の所有物をこっそりと再生したこともある。しかしまさかこんなところでいきなり見せられるとは思っていなかったのだ。
未だ笑い転げる客を怒鳴りつけてやろうとしたジャズは、しかしふっと暗くなった己の視界に、息を飲んだ。
「何見てんノ〜〜」
にゅうと。
ジャズの背後から伸びてきたのは、鍛えられた赤い腕だ。その手が客のス魔ホを掴む。
「ふうん」
振り向けば、思いの外近い距離にいたのはフルフルだ。彼はス魔ホに映った動画を面白くなさそうに一瞥し、ニパリと笑った。
ゾッと、肌が泡立った。
無意識に逃げようとしたジャズの肩を、フルフルが捉える。
ふと見れば、客はもう笑ってはいなかった。
フルフルが口を開ける。
「ダメヨ〜〜。こんなの見せちゃ。こいつらこれでも現役のバビルスの学生ヨ」
子供悪魔ヨ。とフルフルは言う。そんな子供騙してこんなところで働かせているのは誰だ。という言葉は、しかしジャズの口から出てこなかった。
寒気がする。
「バビルスの生徒はバビルスの宝」
そしてバビルスにはその宝を守る者たちがいる。
「特にこんなもの見せたってバビルスの犬に知られたラ」
どうなるか。
「わかっててやってるよ、ネ」
場が凍った。
「すんませんでした!!!!!」
真っ先に動いたのはジャズに動画を見せた客だった。土下座をし、床を舐めんばかりである。
「謝るのは俺にじゃなくてバビルスの宝にヨ〜〜。まあ良い機会だし」
いつの間にいたのか、他の従業員が客を取り囲んでいる。
「今までのことも合わせて、ちょっと怒られてきたら良いヨ〜〜」
「あ」
ああああああ。と情けない声を上げながら、客が引きずられていく。ジャズはその姿が店の奥に消えたのを見届けた後、フルフルを見上げた。
兄の同類の悪魔の顔が、やはり思ったより近い位置にある。
「な、に」
ジャズは思わず身構えた。てっきり揶揄われるものだと思ったのだ。
しかし予想に反して、フルフルは何も言わなかった。ただやはり面白くなさそうな顔をしたままジャズから離れ、そのまま店の外に出てしまった。
なんだったんだ。とクエスチョンマークを浮かべるジャズのそばに、アロケルが近づいてきた。「大丈夫カ」
「あ、うん」
「ジャズ」
呼ばれて顔を上げれば、マスターが手招きをしている。呼ばれるがままに近づけば、そのまま少しの間をおいた後、大丈夫?と言った。
「いや大丈夫ですけど、なんすか」
「悪かったなと思ってさ。客のセクハラ止めらんなかったのは俺の責任だからさあ」
「別にあれくらい」
「あれくらいじゃないでしょ」
「そう思うなら、俺らが他の客に殴られそうになった時にも助けて下さいよ」
言えば、マスターはわははと笑った。
笑って、今日はもう二人とも下がって良いよ。と言った。
「そんで、次からあの手の手合いは俺らに言って。ここは賭けも詐欺もイカサマも許可してるけど、客へのお触りやその他のセクハラは全面禁止だから。そういう店じゃないし、そういう店でもあれはルール違反だけどね」
今日は早めに寝なね。と言って、マスターはジャズとアロケルの背を押した。
二人はそれに逆らわずに客が連れられて行った方とは別の部屋に引っ込んだ。
その気配がすっかりと消えたのを確認し、マスターは己のス魔ホを懐から取り出した。
連絡先はフルフルだ。
電話はせず、文章のみで簡単に報告を済ませ一息吐く。
慣れないことだとマスターは思う。正直なところ、疲れるのだ。しかし同時に、子供を預かると決めたのは自分だも思う。子供悪魔にはいささか不適切な環境での特訓だが、バビルスとの連携はきっちりとしている。
故に、ルールは普段よりも厳格で、もちろん客にもそれを伝えて納得ずくで守らせている。故に今日の客の行為は店側からすれば予想外だった。そうしたルール破りの後、何が起こるかわかっていて破る客はそうそういないからだ。失敗したと思う。本来ならそうしたことが起きる前に防がねばならぬ出来事だった。
フルフルからしてもそうだっただろう。
良い師匠だよ。と思いながら、マスターはちょうどス魔ホを震わせたフルフルからの返信を確認した。
脳裏に浮かぶのは先程見たばかりの馴染みの軍人の顔だ。あれはよほど腹に据えかねているのだろう。あんな顔は初めて見た。それを引き出したのがちんちくりんの子供悪魔であるのがいささかおかしいが、しかし師匠とはそういうものかと思いながら、マスターはちょうど扉を開けて入ってきた客に向き直った。
師匠以外の理由があったのだと知るのは、それから十数年後のことだった。
書いたは良いけど普通に最悪シチュエーションだな……と思ったので供養。
フルフルが子供に手を出すかと言われるとあの悪魔普通に利害や損得計算きっちりしてその上で動くだろ。って思うので手は出さないし、子供にそうした興味も全くもたなさそう(むしろ子供は面倒と思いそう)とは思うので、まあくっつくにしてもよほどのことがない限りなさそう。とは思いつつ、書きたいからお試しで書いたやつ。
最初は複数人の客が恋人の際どい写真を仲間内で回してゲラゲラ笑っているという最悪コミュニケーションに巻き込まれるジャズだったんですが、書いてて最悪モブすぎるし普通に恋人で箔付したホモソちんこチャンバラ書いてて最悪の気分になったのでやめた。なんでわざわざそんな最悪モブ書かなあかんねん。
バビルスの宝でなくとも子供でなくても性別がどうであれセクハラはセクハラなんですが、バビルスって言われて途端にビビるシチュも最悪だなって……その上で子供は守らなければならないんですが
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