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ワーストの世界にアベンジャーズがいたらワースト止めにくるのアベンジャーズな気はする。
そのアベンジャーズにミュータントやミューテイトはいるのか?
いなかったら手叩いて笑ってしまうが。

WLが自分のこと好きだと気付いた時に、過去の経験から「この面だぞ?」って言ったら「外見が個々によって違うなんて当たり前だろ。人間臭いことを言うな」って返されて、ミュータントとして自分よりずっと長い間生きてきて、人間に大事なものを奪われたた者との考え方の違いにギョッとするDPのウルデプもいるのかな。
WLの「くたばれアベンジャーズ」って『人間』がチームにいるからって理由もあるのかもしれない。いや知らん。今不意に思いついただけだ。

サイト収納前提だと、表現をちょっと柔らかくするか……になるけど、本になるとまあ……。

ウルデプ


エンドロールが終わった後に


 真夜中に目が覚めた。部屋が乾燥していて喉が乾く。ローラはそっとアルと寝ていたベッドを抜け出した。出来る限り気配を消し、わずかな光の漏れるリビングを覗こうとすれば、タイミングを見計らったかのように声をかけられた。
「入っていーよ」
 声の主はウェイドだ。ローラは小さく息を飲んだ後、おそるおそる暗いリビングへと踏み込んだ。照明を落とした部屋ではサイレント映画を流すテレビだけが光っており、ウェイドはテレビの前のソファに座っている。
 ローラはそっと、笑みを浮かべるウェイドに近寄った。
「喉乾いちゃった?」ウェイドが言った。
「うん、水でも飲もうと思って……」ローラは頷いた。
 そして視線をウェイドの隣へ移動させる。
「ローガン、寝てるの?」
 ウェイドの隣には、彼の肩に頭を預けて目を閉じたローガンがいた。己と同じく他者の気配に敏いミュータントの、こんなに無防備な姿を見るのは初めてだ。驚いてローラが問いかければ、ローガンの瞼がうっすらと開いた。
「……起きてる」
 どう考えても、片足を夢の中に残した者の声だ。
 ローラは慌てて口を開いた。
「寝てて良いよ。水飲んだら部屋に戻るから」
 睡魔を払おうとしているのか、唸りを上げて身動ぎしたローガンは、「だが」だの、「おれも」だの掠れた声で言っていたが、最後にはウェイドに軽く肩を叩かれて静かになった。
 規則正しい寝息が聞こえてくる。
「本当に疲れてるんだね」
 眠るローガンから視線を外さずに、声を潜めてローラは言った。目を閉じた男の姿は穏やかで、眉間の皺ひとつない。ローガンの外見は己の『父』を思い出させるが、同時にこんな表情は知らなかったと思う。当然だとも思う。ローガンの寝顔はウェイドが引き出したもので、そしてこの家にいるからこそのものだった。
 手慰みのようにローガンの髭をくすぐって、こちらも同じく潜めた声でウェイドは言った。
「ヒーリングファクターが大忙しだったからね。TVAから連絡が来た時は俺ちゃんも驚いたけど、こうして元気に帰ってくるんだから流石はウルヴァリン。おかげで臨時収入もあったし、結果的にはオールオッケー」
「そっか」
 ウェイドに相槌を打ちながら、ローラはウェイドの横顔を見つめた。ご機嫌な姿は昨日見たものと全く違う。
『ローガンが?』
 TVAからウルヴァリンが消えたとの報を受けた時、ウェイドとローラは共にいた。映画館へ出かける準備をしていて、ローラは買ったばかりのシャツに袖を通したところだった。ローラが慌ててリビングへ行けば、ウェイドが早口でB-15を詰っていた。そしてローラの姿を見てハッと口を閉じた後、ほぞを噛んだような顔をした。
『ごめん。ローラ。埋め合わせは絶対にする』
 ローラはウェイドが、あるいはアルやローガンが、普段のふざけた生活の裏で保護者として出来る限りのことを選択しているのを知っていた。そしてそのウェイドが、ローラまでもが不安になるような顔をしていたから、ローラはただ頷いた。
『お土産よろしくね』
 その言葉を聞いた途端、ウェイドは了解したとでも言いたげにひとつローラの肩を叩き、ホルスターを掴んでB-15と共に光の扉へ消えていった。
 しんとしたリビングで、立ち尽くしたローラを現実に引き戻したのはメリーだった。ローラの足下でクンクンと鳴く小さな身体を抱き上げて、最悪のことも覚悟した。
 だからその日の夜、普段より一時間だけ夜更かしをしていたアルとローラとメリーのもとに、ウェイドが土産を携えて帰って来た時は、心底ホッとしたのだ。ウェイドが知らない誰かの血の臭いをさせていたことには気付いていたけれど、そんなことはどうでも良かった。
 帰って来て、一緒にいてくれるなら、どうでも。
「ウェイド」
 ウェイドの話の内容はいつの間にかテレビで流れる映画の話になっていた。声を潜めたまま長々と助演俳優についての熱弁が振るわれていたが、ローラが呼びかければピタリと止まる。
「どうかした?」
 ウェイドはローラと話す時、なるべく目を合わせようとする。ウェイドの瞳に己が映っているのを確認し、ローラは言った。
「明日、お泊まりしてきて良いよ」
 ローラの言葉に、ウェイドはパチリと目を瞬かせた。
 ウェイドとローガンが、明日は朝から一緒に出かけると聞いたのは夕食の時だった。「泊まりかい?」とすぐに反応したのはアルだ。けれどウェイドは首を振った。
「夕方には帰ってくるよ」
「デートじゃないの?」
 アルの問いに答えた時と同じ言葉を返されて、ローラはその時聞けなかったことを聞いた。今時はティーンでも、お互いの同意の上で他者と夜を過ごすことは当たり前になっている。
 再度の問いかけに、ウェイドは少し目を泳がせた後「……デートだよ」と言った。
 ウェイドの耳が少し赤い。何をそんなに照れるのか、ローラは分からなかった。二人が恋人同士になって半年以上が経っている。そうなるまでに色々と周囲に迷惑をかけたので、コロッサスには正座で説教されているし、アルには何度か家を叩き出され、そして今でも痴話喧嘩するたびに同じことが起こっている。
 なにより恋人同士となった二人は週末に、デートに行くことも多かった。正確な割合は調べていないがローラの体感ではそのうちの半分が泊まりでのデートである。おかげでウェイドとローガンの匂いが混ざってわからなくなる時がある。ローラとてこの家で暮らし始めてから食事や石鹸、その他様々な理由によってアルやローガン、ウェイドと匂いが似てきたが、ウェイドとローガンほどではない。
「待ってローラ。今なんか聞き漏らせないこと言った?」
「え、何を?」
 うっかりぼんやりとしていたら、急にウェイドに声を上げられローラは肩を跳ねさせた。ウェイドと話しているとよくあることだが、いつもびっくりしてしまう。
「……ぅ」
 そして声を潜めるのを忘れてしまったからだろうか、ローガンが小さく唸り声を上げた。
 思わずローラはウェイドと目を合わせた。
「しーっ」
 同じタイミングで、口に人差し指を当てた。その動作が全く同じだったので、二人して吹き出してしまう。声を出さないままに肩を揺らす。
 今度こそローガンを起こさないように気をつけながらローラは言った。
「映画の邪魔してごめん。もう寝るね」
「こっちこそ引き止めてごめん。ここにあるミネラルウォーター一本部屋に持っていって良いよ」
「そうする」
 おやすみ。と言えば、おやすみ。と返される。そして机の上のペットボトルを掴み、キッチンに向かおうとしたローラは、しかしウェイドに呼び止められた。
「ローラ」
「何?」
 首を傾げれば「さっき言い忘れたけど」とウェイドは言う。
「今日はクズリちゃんが疲れて寝ててみんなで一緒にご飯食べられなかったでしょ。だから、明日の夕飯はちゃんと一緒に食べよう」
 ローラは思わずローガンを見て、そしてもう一度ウェイドを見た。
 時々、ローラはこの家で食卓を囲んでいることが夢ではないかと思う時がある。
 暖かなご飯。それを作ってくれる人。一緒に食卓を囲む相手と、可愛いペット。
 そして目の前の二人が同じ恐怖を抱いていることを、教えられずと気付いていた。
「うん」
 ローラは頷いた。テレビの中の映画はエンドロールを流している。けれどエンドロールが終わった後も、ローラは消えずにこの家にいる。
「美味しいご飯お願いね」
 それと、とローラは続けた。
「来週はローガンも一緒に映画館に行こう」
 と、その言葉に、ウェイドが笑った。
 それは破られることのない、夢のような現実を、続けるための約束だった。

▲たたむ

手癖ウルデプのおまけ書いてる。




 出来る限り気配を消したつもりだったが、リビングを覗こうとしたところで声をかけられた。
「入っていーよ」
 声の主はウェイドだ。ローラは小さく息を飲んだ後、おそるおそる暗いリビングへと踏み込んだ。照明を落とした部屋で、映画を流すテレビだけが光っている。
 その光を浴びたウェイドが、ローラを見て小さく微笑んだ。
「喉乾いちゃった?」
「うん、水でも飲もうと思って……ローガン、寝てるの?」
 ローラはそっと、ウェイドの座っているソファに近寄った。ウェイドの隣には、彼の肩に頭を預けて目を閉じたローガンがいる。その姿に驚いてローラが問いかければ、ローガンがうっすらと瞼を開き「起きてる」と掠れた声で言った。
 どう考えても、半分夢の中にいる。
 睡魔を払おうとしているのか、

▲たたむ

ウルデプ

3000字くらいで終わらせるつもりだったんだよ。手癖ログ。



「おかえり、ローガン」


 咽せ返るような血の匂い。薬物を摂取した者に特有の不快な体臭。
 それらの発生源であるローガンは、己の身体をアダマンチウムの爪で突き刺した。天然の檻に地の底から響くような唸り声が反射する。TVAのタイムパッドによって見つけた山奥の洞窟に、ローガンの他に人気はない。それどころか酷い血臭にも関わらず、野犬どころか虫の一匹すら近寄らない。氷点下ではローガンから溢れ出した湯気の立つ流血すら、すぐに凍ってしまうからだ。
 ローガンはまつ毛に降りた霜を落とすが如く瞬きをした。このままでは己の鼻も両手足の指も、それどころか全身壊死してしまうだろう。そうと分かっていながら動かなかった。ローガンのヒーリングファクターは二百年以上前からまるで衰えておらず、薬が抜けさえすれば『己の』アースに帰って暖かな部屋で壊死が治るのを待てば良い。そう思っていたからだ。
 どうせなら意識も手放してしまいたい。しかし過去、己がしたことを思えば万が一を考えて出来なかった。このアースはローガンが偶然辿り着いただけの場所だ。
 壊したいものはない。
 ややもすれば上がりそうになる息を整えて、ローガンは冷たい空気を肺に入れた。いっそ全身凍ってしまえば動けなくなるだろうか。そんなことを考えた時、ふと空気が揺らいだ。
 鼻を掠めた匂いに、まさか。と目を見張った。けれどタイムパッドよる光の扉が現れた瞬間、ローガンはその先にいる存在を確信した。
「……ウェイド」
 ローガンが呟いた己の名前に被せるように、ウェイドの軽口が始まった。
「ヤッホークズリちゃん。一日ぶり。元気してた? してないね。TVAのタイムパッド盗んで他のアースに逃げた。って聞いた時はびっくりしたけど、この状況見たら納得。すごいにおい。アルがいたらこれだけで天国にイっちゃいそう」
 ホルスターから銃を抜く音がする。ウェイドは軽口を止めずにローガンに近付いた。サクサクと凍った地面を踏み締める足音がする。
「というかその状態でよく俺ちゃんに気付けたね。匂い? 音? それとも愛かな。全部かも」
 ローガンの顎に硬い銃身が触れ、そのまま顔を掬い上げられる。
「目、ほとんど見えてないでしょ。一回凍って再生中? それとも失血で神経回路が働いてない? まあどっちにしろ怒るけど」
「怒るのか」
「怒るでしょ。あんただって俺が同じ状態になったら怒るだろ?」
 怒るに決まっている。ウェイドだけではない。アルが、あるいはローラが、メリーが、理不尽に体に害を与える薬を摂取する事態になったらローガンは怒る。
 そう考えて、ローガンは顔を動かした。この短時間に髭が凍って銃に貼り付いたのかぶちぶちと音がしたが、そんなことはどうでも良かった。表皮の感覚が消えて久しい鼻をひくつかせる。
「……血の匂いがするな」
 氷が張り、鈍った鼻では気が付かなかった。己のものでもウェイドのものでもない、複数人の血の匂いがする。錆臭さが薄いことを考えれば、血が付いてさほど時間が経っていないことは明白だ。
 今回のTVAからの依頼はローガンにのみ押し付けられたもので、一昨日まで同じくTVAの依頼で別のアースを走り回っていたウェイドは、ローラと休日を楽しんでいたはずだ。
 眉を寄せたローガンの言葉に、ウェイドが笑った気配がする。同時に銃が顎の下から引き抜かれ、ローガンの頭が重力に従って地面に落ちた。
「あんた探すために何人かね。ま、俺ちゃん交渉も黒帯のクレーマーだから、どっかのクズリちゃんと違ってタイムパッドはちゃんと『お話し合い』の上で借りてきたけど」
 定期的にTVAの依頼を受けているとはいえ、ウェイドもローガンも専用のタイムパッドを支給されていなかった。正式な職員でないのもあるが、ウェイドはTVA職員を複数殉職させた上、他のアースを飛び回り、ローガンを連れてきた前科がある。
 今、ウェイドがいじっているタイムパッドを奪うために、一体何をしたのか。それを想像し、ローガンは眩しいものでも見るように目を眇めた。
 ウェイドは大事なものを守るためには手段を選ばない。
 手遅れになる前に、何を犠牲にしようと誰を殺そうと、生かしたい者を生かそうとする。
 だからこそ、ローガンはウェイドの手を取った。
「ローたん」
 血の足りないローガンがぼんやりとしていれば、ウェイドがローガンに声をかけた。同時に奇妙な浮遊感がローガンを襲う。
「受身取れなくても、治るから良いか」
 己の体の下、地面のあった場所が、タイムパッドによって他の場所と繋げられたのだと気付いたのは、一メートルほど自由落下し、硬い地面に叩きつけられた後だった。
「ぅ、ぐ……!」
「おー。まあまあ条件通りの部屋だ」
 氷点下から、おそらく常温に整えられた室温の差に眩暈がする。血管が膨張して何本か切れたかもしれない。二、三度咳き込んで肺の中の空気を入れ替えたローガンは、怒りを隠さずに口を開いた。
「ウェイド。どこに連れてきた」
「極寒よりはマシな場所」
 言われずともわかる答えを告げた後、ウェイドは面白くもなさそうに「どっかのアースのTVAの研究所」と言った。
「あんたが望めばいつでも鍵を開ける準備ができてる扉に、個室のトイレ。長期保存が出来る食料飲料各種と、アダマンチウムほどじゃないけど丈夫な金属で上下四方を囲まれた部屋」
 寒さへの対策をしなくとも良くなったからか、急速にローガンの視界が拓けていく。
「ドローン型の小型カメラ、は必要ないか」
 四発の銃声が響いた後、部屋の四隅から機械の壊れる音がした。
 欠けても霞んでもいない視界に映ったウェイドは、ホルスターこそしていたものの常のパーカー姿であり、ローガンと目が合うと己を指差して笑ってみせた。
「あとは俺」
 ウェイドがしゃがんで大きな体躯を屈め、横たわったままのローガンを覗き込んで言った。
「依頼自体は成功してるし、あんたがそうなった原因は向こうの職員のミス。だから今のあんたに必要そうなもの全部この部屋に集めてもらったけど、他にいるものは?」
 ウェイドの指先が、ローガンの頬に触れた。それだけでゾッと肌が泡立ち体温を上げる単純さに、ローガンは唸り声を上げた。
「……必要ない」
「これで十分?」
「違う。ウェイド。必要ないのは全てだ」
 ウェイドの手を拒絶するように首を振る。あれだけの血を流しヒーリングファクターが働いていながら、氷点下の山奥でも燻っていた火が息を吹き返す。
 薬物によって付けられた火だ。
 あるアースに住むミュータントの血から作られるそれは、他者の脳内ホルモンに作用する。濃度と混ぜ物によって変化はあるものの、根本的な効果は変わらない。戦場の兵士に飲ませれば恐怖を麻痺させ眠りを忘れ、興奮のまま敵を討ち取るようになり、欲に溺れたものは己で、あるいは他者に飲ませて精力剤として使用する。
 その薬の原液が入った貯水槽にローガンが落ちたのは、先ほどウェイドが言ったようにTVA職員のミスだった。間抜けなミスだ。まさかタイムパッドで繋げた先が貯水槽だとは。
 依頼内容が『原料』であるミュータントの保護への協力であったため、ローガンは貯水槽を壊して暴れ回り、薬物精製所職員の目を引き付けた。その間に目的のミュータントはTVAに保護され依頼は成功したものの、皮膚から吸収し、また突然のことに飲み込んでしまった薬の効果はヒーリングファクターをもってしても消すことができなかった。遅効性の薬であったのも良くなかった。
 そもそも致死量を超えて摂取したのだ。意識を失わないだけ幸運だったとも言える。
 意識を失っていたらどうなっていたか分からない。
 ローガンは。
 ――己の中にある暴力性を知っている。
 世界を失望させた『ワースト』ウルヴァリン。何もかもを壊した存在。
 同時に彼は、大事な何もかもを守れなかった存在でもあった。
 恩人も、友人も、ローガンを慕って後を付いて回った子ども達も。
 彼らの全てが消されてしまった。命だけではない。肉体だけではない。恵まれし子らの学園に刻まれた彼らの生きた記録、痕跡、作り出し世に広まったもの。日記一冊、写真一枚、全てが燃やされ上書きされた。
 もしアダマンチウムの骨に彼らの名前を刻んで残せるなら、ローガンは喜んで己の骨を抜き取っただろう。けれどアダマンチウムは絶対的なものではなく、そして彼らとの繋がりを得るきっかけのひとつであったものを、ローガンが手放すことなど出来なかった。
 泣き喚こうと世界を失望させようと、全ては遅すぎた。
 遅すぎたのだ。
 そしてそれを繰り返すつもりはない。
「ウェイド、俺は」
 ローガンはウェイドの名を呼んだ。ウェイドの瞳に映っているものを見た。
「俺は、お前を傷付けたくはない」
 いない神に祈るような声だった。
 その言葉に、ウェイドは顔に笑みを乗せたまま口を開いた。
「俺ちゃんはいらない?」
 ローガンは首を横に振る。ウェイドは続けて言った。
「死なないのに」
「……だからこそだ。いつもの喧嘩ならともかく、こんな薬に、お前を利用されたくない」
 ローガンは熱を逃すようにひとつ大きく息を吐いた。
「お前も同じ状況になったら、俺を拒絶するだろう?」
「するね」
 今度こそ、ウェイドは笑い声を上げた。そして腹を抱えて笑った後、ふと「でも、あんたが俺に殺意むけてくれんのも悪くないと思ったんだけどな」と言った。
 ウェイドにひどく自虐的な部分があり、そしてそれ故に己を顧みない部分があることをローガンは知っている。己のようだと思ったこともある。ローガンもウェイドも、己を粗雑にするところがあった。だからこそウェイドは今ここにいるのだろうし、だからこそローガンは呆れながらウェイドに告げた。
「殺意くらい、痴話喧嘩でいつでも向けてやる」
 ローガンがウェイドを番と定めて半年以上が経つ。その間に何度愛を告げ、何度愛を告げられ、そして何度どうでも良い喧嘩から、殺意を向け合ったか分からない。同時にアルに家から叩き出された回数も覚えていない。
 靄がかかりそうになる思考に舌打ちをこぼし、ローガンは言った。
「今日は大人しく帰れ。夕飯当番を守れないことは謝る」
「ピザ代あんたに付けとくから気にしなくて良いよ。ローラのアイスとメリーたんのおやつとアルの塩気が強いつまみ代もね。それとタイムパッドは回収するからな。いくらあんたがクズリだって言ってもあんな場所で凍ってるのは見たくない。どこっかの金持ちがショーケースに飾って客に見せびらかして悦に入りそうな出来だったけど、俺ちゃんふかふかであったかなあんたが良い。エゴだって? 知ってるよ」
 ウェイドが立ち上がると睨み付けたローガンに舌を出し、その代わり。と言った。
「そろそろTVAに頼んだのが……って、今かよ。タイミングが良すぎる。カメラ壊したけどどっかで見てんの? プライバシーの侵害で訴えるぞ悪趣味組織!」
 お前に言われたくはないだろう。とローガンは思ったが、タイムパッドが光り小さな箱が現れたので、告げる機会を失った。
「なんだそれは」
「解毒ざっ、いってえ! 爪! 反応が良すぎる! 今TVAから届いたばっかりで俺ちゃん悪くないのに!」
「早くよこせ!」
 ローガンが爪で足を刺したためウェイドの手から転げ落ちた箱を、ローガンが手を伸ばし空中でキャッチする。箱を開ければ液体の入った注射器が現れた。ローガンはその針を躊躇わず己の腕に突き刺した。
「わお。アルもびっくりの早技」
 ウェイドの軽口には答えずに、ローガンは液体全てを己の身体に注入した。薬の中身を疑ってはいなかった。流石のTVAも己のミスで害を受けたローガンに、下手なものは渡さないだろう。注射を終えたローガンはホッと息を吐き、床に寝転がった。それを確認した後、ウェイドはタイムパッドを操作した。
「じゃあ俺ちゃんもう行くね。扉を三回ノックすれば出してくれるから、寄り道せずにちゃんと帰ること!」
「ああ。……ウェイド」
「何?」
 光の扉を背にしたウェイドを見つめ、ローガンはひとつため息を吐いた。
「お前も、遅くならないうちに帰れ」
 ウェイドはわずかに目を見張った後、ローガンに手を振った。
「アルとローラが寝る前には帰るって。眠ってるとこ起こしちゃ可哀想だから」
 じゃ、お家で。そう言って背を向けたウェイドを見送り、光が消えたのを見届けた後、ローガンはホッと息を吐いた。気を抜いた瞬間に、腹の底で燻る熱に目の前が真っ赤になる。ギリギリと嫌な音がすると思えば己の爪が床を引っ掻く音だった。ウェイドに見せたくないという矜持だけで保っていた糸が切れそうになるが、ローガンは悪態を吐いてそれを防いだ。
 ここにローガンが壊したいものはなく、いくら己がワーストであるとはいえ、理由もなく破壊を行うような存在に成り果てる気はなかった。
 己の代わりにウェイドが怒っているだろう今は尚更だ。
 ローガンは先程のウェイドの姿を思い出す。それだけでこんな状況にも関わらず、口の端が緩む。着の身着のまま、おそらくはすぐに手に取ることの出来たホルスターと銃だけを手にし、他人の血の臭いをさせてローガンの前に現れた己の男。
 怒る。とウェイドは言った。当たり前だ。ローガンとて、ウェイドが、アルが、ローラが、メリーが、理不尽な目に遭ったら怒る。怒ってその原因を叩き潰す。そうした点では、ウェイドはローガンと似ていた。愛した者を傷付ける存在を許さない。だからこそウェイドに愛されている自覚があるローガンは、彼を止めなかった。
 TVAではすでに暴れてきたようだから、今はローガンが潰し切れなかった薬物精製所で好き勝手しているだろう。
 その姿が見られないことだけが残念だ。
 そう思って、違う。とローガンは首を振る。
 本来なら、ローガンは今頃家に帰ることが出来ていた。少し遅くなったかもしれないが、玄関まで走ってきたメリーを抱き上げ、アルに不在を詫び、ローラに遅くなったことを叱られ、そして今、己の代わりに怒っている男に「ただいま」を言っていた。
 それはいつもの日常だ。思い出せばやはり己の今の状況が忌々しく、ローガンはひとつ唸りを上げて爪で己ごと床を切り裂いた。同時に腹いせで、ウェイドが薬物精製所を徹底的に壊し尽くしてくれることを祈った。
「くそったれ」
 そう溢したローガンが、精製所だけでなく売買ルートもきっちり潰し、ついでにTVAから慰謝料を盛大にぶんどっていたウェイドから念願の言葉を聞いたのは、約十二時間後のことだった。



▲たたむ

ウルデプ進捗
書き終わらんかった〜〜〜〜〜!


 咽せ返るような血の匂い。薬物を摂取した者に特有の不快な体臭。
 それらの発生源であるローガンは、己の身体をアダマンチウムの爪で突き刺した。天然の檻に地の底から響くような唸り声が反射する。TVAのタイムパッドによって見つけた山奥の洞窟に、ローガンの他に人気はない。それどころか酷い血臭にも関わらず、野犬どころか虫の一匹すら近寄らない。氷点下ではローガンから溢れ出した湯気の立つ流血すら、すぐに凍ってしまうからだ。
 ローガンはまつ毛に降りた霜を落とすが如く瞬きをした。このままでは己の鼻も両手足の指も、それどころか全身壊死してしまうだろう。そうと分かっていながら動かなかった。壊死しても良いと思っていたからだ。ローガンのヒーリングファクターは二百年以上前からまるで衰えておらず、薬が抜けさえすれば『己の』アースに帰って暖かな部屋で壊死が治るのを待てば良い。そう思っていたからだ。
 どうせなら意識も手放してしまいたかったが、過去、己がしたことを思えば万が一を考えて出来なかった。このアースはローガンが偶然辿り着いただけの場所だ。
 壊したいものはない。
 ややもすれば上がりそうになる息を整えて、ローガンは大きく息を吐いた。いっそ全身凍ってしまえば動けなくなるだろうか。そんなことを考えた時、ふと空気が揺らいだ。
 鼻を掠めた匂いに、まさか。と目を見張った。けれどタイムパッドよる光の扉が現れた瞬間、ローガンはその先にいる存在を確信した。
「……ウェイド」
 ローガンが呟いた己の名前に被せるように、ウェイドの軽口が始まった。
「ヤッホークズリちゃん。一日ぶり。元気してた? してないね。TVAのタイムパッド盗んで他のアースに逃げた。って聞いた時はびっくりしたけど、この状況見たら納得。すごいにおい。アルがいたらこれだけで天国にイっちゃいそう」
 ホルスターから銃を抜く音がする。ウェイドは軽口を止めずにローガンに近付いた。
「というかその状態でよく俺ちゃんに気付けたね。匂い? 音? それとも愛かな。全部かも」
 ローガンの顎に冷たい銃口が触れ、そのまま掬い上げるように銃身で顔を持ち上げられた。
「目、ほとんど見えてないでしょ。一回凍って再生中? それとも失血で神経回路が働いてない? まあどっちにしろ怒るけど」
「怒るのか」
「怒るでしょ。あんただって俺が同じ状態になったら怒るだろ?」
 怒るに決まっている。ウェイドだけではない。アルが、あるいはローラが、理不尽に体に害を与える薬を摂取する事態になったらローガンは怒る。
 そう考えて、ローガンは顔を動かした。この短時間に髭が凍って銃に貼り付いたのかぶちぶちと音がしたが、そんなことは気にならなかった。表皮の感覚が消えて久しい鼻をひくつかせる。
「……血の匂いがするな」
 氷が張り、鈍った鼻では気が付かなかった。己のものでもウェイドのものでもない、複数人の血の匂いがする。錆臭さが薄いことを考えれば、血が付いてさほど時間が経っていないことは明白だ。
 今回のTVAからの依頼はローガンにのみ押し付けられたもので、一昨日まで同じくTVAの依頼で別のアースを走り回っていたウェイドは、ローラと休日を楽しんでいたはずだ。
 眉を寄せたローガンの言葉に、ウェイドが笑った気配がする。同時に銃が顎の下から引き抜かれ、ローガンの頭が重力に従って地面に落ちた。
「あんた探すために何人かボコってね。このタイムパッドもその辺にいた職員から盗ったのだよ」
 定期的にTVAの依頼を受けているとはいえ、ウェイドもローガンも、専用のタイムパッドを支給されてはいなかった。正式な職員でないのもあるが、ウェイドはTVA職員を複数殉職させた上、他のアースを飛び回り、ローガンを連れてきた前科がある。アースひとつ滅ぼすような道具を持った組織であれば、職員が数人、十数人死んだくらいではびくともしないのだろうし、パラドックスが知らないような隠し道具でウェイドを止めることも可能だろうが、だからといって何をしでかすか分からない相手に渡すものでもない。
 今、ウェイドがいじっているタイムパッドを奪うために、ウェイドが何人か殺しているかもしれない。そう思いながら、ローガンは眩しいものでも見るように目を眇めた。ウェイドは大事なものを守るためには手段を選ばない。
 手遅れになる前に、何を犠牲にしようと誰を殺そうと、生かしたい者を生かそうとする。
 だからこそ、ローガンはウェイドの手を取った。
「ローたん」
 ウェイドがローガンに声をかけた。同時に奇妙な浮遊感がローガンを襲う。
「受身取れなくても、治るから良いか」
 己の体の下、地面のあった場所が、タイムパッドによって他の場所と繋げられたのだと気付いたのは、一メートルほど自由落下し、硬い地面に叩きつけられた後だった。
「ぅ、ぐ……!」
「おー。まあまあ条件通りの部屋だ」
 氷点下から、おそらく常温に整えられた室温の差に眩暈がする。血管が膨張して何本か切れたかもしれない。二、三度咳き込んで肺の中の空気を入れ替えたローガンは、怒りを隠さずに名を呼んだ。
「ウェイド。どこに連れてきた」
「極寒よりはマシな場所」
 言われずともわかる答えを告げた後、ウェイドは面白くもなさそうに「どっかのアースのTVAの研究所」と言った。
「あんたが望めばいつでも鍵を開ける準備ができてる扉に、個室のトイレ。長期保存が出来る食料各種と、アダマンチウムほどじゃないけど丈夫な金属で上下四方を囲まれた部屋」
 寒さへの対策をしなくとも良くなったからか、急速にローガンの視界が拓けていく。
「ドローン型の小型カメラ、は必要ないか」
 四発の銃声が響いた後、部屋の四隅から機械の壊れる音がした。
 欠けても霞んでもいない視界に映ったウェイドは、ホルスターこそしていたものの常のパーカー姿であり、ローガンと目が合うと己を指差して笑ってみせた。
「あとは俺」
 ウェイドがしゃがんで大きな体躯を屈め、横たわったままのローガンを覗き込んで言った。
「依頼自体は成功してるし、あんたがそうなった原因は向こうの職員のミス。だから今のあんたに必要そうなもの全部この部屋に集めてもらったけど、他にいるものは?」
 ウェイドの指先が、ローガンの頬に触れた。それだけでゾッと肌が泡立ち体温を上げる単純さに、ローガンは唸り声を上げた。
「……必要ない」
「これで十分?」
「違う。ウェイド。必要ないのは全てだ」
 ウェイドの手を拒絶するように首を振る。あれだけの血を流し、ヒーリングファクターが働いていながら、氷点下の山奥でも燻っていた火が、息を吹き返す。
 薬物によって付けられた火だ。
 あるアースに住むミュータントの血から作られるそれは、他者の脳内ホルモンに作用する。濃度と混ぜ物によって効果に多少の変化はあるものの、根本的な効果は変わらない。戦場の兵士に飲ませれば恐怖を麻痺させ眠りを忘れ、興奮のまま敵を討ち取るようになり、欲に溺れたものは精力剤として己で、あるいは他者に飲ませて使用する。
 その薬の原液が入った貯水槽にローガンが落ちたのは、先ほどウェイドが言ったようにTVA職員のミスだった。間抜けなミスだ。まさか依頼のために別のアースに降り立った瞬間、貯水槽に落ちるとは思わなかった。
 依頼内容が薬の破棄と『原料』であるミュータントの保護であったため、ローガンは貯水槽を壊し暴れ回り、ミュータントの保護はTVAに任せたものの、皮膚から吸収し、突然のことに飲み込んでしまった薬の効果はヒーリングファクターをもってしてもなかなか抜けはしなかった。
 そもそも致死量を超えて摂取したのだ。意識を失わないだけ幸運だったとも言える。
 ▲たたむ

オフイベの予定を立て直してる。

トワイライト・ウォリアーズ、挽歌みたいな〜の気持ちにさせられたので悔しい。

仕事の発表の原稿を延々と書いている。これふざけて良いやつ?悪いやつだね。

仕事を、します……

それはそれとして明日までに色々仕事を完了させなきゃならないので、家で色々やる……。

映画見に行きたい気持ちと原稿したい気持ちで後者がギリギリ勝った

ウルデプ進捗。
定期的に薬を盛られるてキレる話書かないと気が済まない。また書いた。何回目だ……。



 咽せ返るような血の匂い。薬物を摂取した者に特有の不快な体臭。
 それらの発生源であるローガンは、己の身体をアダマンチウムの爪で突き刺した。天然の檻に地の底から響くような唸り声が反射する。TVAのタイムパッドによって見つけた山奥の洞窟に、ローガンの他に人気はない。それどころか酷い血臭にも関わらず、野犬どころか虫の一匹すら近寄らない。氷点下ではローガンから溢れ出した湯気の立つ流血すら、すぐに凍ってしまうからだ。
 ローガンはまつ毛に降りた霜を落とすが如く瞬きをした。このままでは己の鼻も両手足の指も、それどころか全身壊死してしまうだろう。そうと分かっていながら動かなかった。壊死しても良いと思っていたからだ。ローガンのヒーリングファクターは二百年以上前からまるで衰えておらず、薬が抜けさえすれば『己の』アースに帰って暖かな部屋で壊死が治るのを待てば良い。そう思っていたからだ。
 どうせなら意識も手放してしまいたかったが、過去、己がしたことを思えば万が一を考えて出来なかった。このアースはローガンが偶然辿り着いただけの場所だ。
 壊したいものはない。
 ややもすれば上がりそうになる息を整えて、ローガンは大きく息を吐いた。いっそ全身凍ってしまえば動けなくなるだろうか。そんなことを考えた時、ふと空気が揺らいだ。
 鼻を掠めた匂いに、まさか。と目を見張った。けれどタイムパッドよる光の扉が現れた瞬間、ローガンはその先にいる存在を確信した。
「……ウェイド」
 ローガンが呟いた己の名前に被せるように、ウェイドの軽口が始まった。
「ヤッホークズリちゃん。一日ぶり。元気してた? してないね。TVAのタイムパッド盗んで他のアースに逃げた。って聞いた時はびっくりしたけど、この状況見たら納得。匂いすごいね。アルがいたらこれだけで天国にイっちゃいそう」
 ホルスターから銃を抜き、トリガーに指をかけたウェイドは、軽口を止めずにローガンに近付いた。サクサクと凍った土を踏み締める音がする。
「というかこの状態でよく俺ちゃんに気付けたね。匂い? それとも愛かな。両方かも」
 銃口がローガンの顎に触れ、そのまま銃身で掬い上げるようにぐいと顔を持ち上げられた。
「目、ほとんど見えてないでしょ。一回凍った? それとも失血で血が回ってない? まあどっちにしろ怒るけど」
「怒るのか」
「怒るでしょ。あんただって俺が同じ状態になったら怒るだろ」
 怒るに決まっている。ウェイドだけではない。アルが、あるいはローラが、理不尽に体に害を与える薬を摂取する事態になったらローガンは怒る。
 そう考えて、ローガンは顔を上げた。狭まった視界でも、ウェイドの顔がどこにあるかくらいは予想がつく。この短い間に銃と髭が凍って癒着したのか痛みが走ったが、そんなことは気にならなかった。
「……血の匂いがするな」
 己の血臭と体臭、そして薬物の匂いが満ちている為に、馬鹿になった鼻では気が付かなかった。己のものでもウェイドのものでもない、複数の血の匂いがする。
 TVAからの今回の依頼はローガンにのみ押し付けられたもので、昨日まで同じくTVAの依頼で別のアースを走り回っていたウェイドから、新鮮な血の匂いがするのはおかしなことだ。
 ローガンの言葉にウェイドが笑った気配がする。同時に銃が引き抜かれ、ローガンの頭が重力に従って地面に落ちた。
「あんた探すために何人かボコったからね。▲たたむ

猫がめちゃくちゃひっついてくるので会社行きたくない。

ローガン視点の方が良いな?になって書き直しになるウルデプ
 抉られた鋼鉄。地の底から響くような唸り声。独房と呼ぶには広く、ドローン型のカメラが設置されただけの部屋に扉はない。
 しかしタイムパッドをTVAから取り上げたウェイドに、扉なんてものは必要ない。彼は一歩その部屋に踏み入った途端、デッドプールのマスクの下で顔を顰めた。咽せ返るような血の匂いと、その血臭ですら上書きできない薬物の臭いを感じたからだ。
「アルなら嗅いだだけで天国にイっちゃうかも」
 軽口を叩きつつも、ウェイドはホルスターから銃を抜くことを忘れなかった。薬物の匂いにどこか鼻をつく体臭が混じっている。薬物を摂取した者特有の汗の臭いだ。強い薬物は意識を奪う。襲い掛かられてから銃を抜いたのでは遅すぎる。
 目当ての人物は部屋の隅にいた。彼を中心として放射線上に血が広がっている。
「ローガン」
 ウェイドは彼の名を呼んだ。途端にうずくまっていた人物が身じろぎする。
 ウェイドは内心ホッと胸を撫で下ろした。
「ヤッホー。お元気?」
「そう見えるなら一回目玉を潰して再生した方がいい」
「あいにく頭は再生しづらいから▲たたむ

デッドプール&ウルヴァリン、カサンドラ役のエマ・コリンがノンバイナリーだけど、どうすんだろう。ディズニー+日本版ではすでにミスジェンダリングしててざわついてたけど……。

耐えるんじゃなくて変えていくんだよ!の気持ちはもちろんある


某作品が打ち切りにならず監督がディズニーで作品を作り続けて欲しかったし、完成していた某作品のトランスジェンダー回が流出ではなく正式に配信されて欲しかったし、某映画が同性同士のキスシーンを描いたことを理由のひとつとして制作凍結されずに、ディズニーとして公開されて欲しかった。という気持ちがずっとあります。

でも一方で、これ、耐えればいい。ってメッセージになっちゃわないかなって気持ちにもなる。

なんか、実際に消されたものがあり、離れた人がおり、そこで傷付けられた人達やいなかったことにされた人達のこと考えたら、パッと幸せになる話を、二次創作でも書けないというか、それが観たかったのは公式でなんだよな。って気持ちがある。

そもそもムーンガールのことを思ったら、かけなくてさあ……

https://shirube.lsv.jp/wldp_kyoukai.php
ウルデプでこれを書いたの、自分が今とこれからを考えるにあたり、どうしてもお伽話的な幸せを書けなくて、それでも色々と信じたいよ〜〜〜〜〜の気持ちで書いたところがある。どうしてもマーベルってアメリカ中心主義だからさあ……

めちゃくちゃな世界をさらにめちゃくちゃに生きづらくする人間が、日本にまで影響を与えるのは最悪

トワイライト・ウォリアーズはあそこまで男性世界で固めたのに、急に女の敵討になり、しかもそれが4人の友情の始まりになるので、まあ、性質は悪いですよ!!!!!
でもまああれとかそれとか影響を受けただろう過去作を思うと、納得できてしまうのがいけない……。

トワイライト・ウォリアーズもビーキーパーも見て良かったな〜と思うものの、女性が冷蔵庫の女やんけって言われたらそれはそう……。

変な夢見て起きた……

しのびごとやっぱ面白いよ

主人が死ぬと魔法が自由になるなら、デスカラスが死んだ時、めちゃくちゃ困るな

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