2023年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
#映画
グランツーリスモ観てきました。
正直なところ、男と男の巨大感情映画だぞ。って言葉に惹かれて見たので、車の話ということすら知らずに見ました。嘘だろって感じですがマジです。自分から興味が湧いたやつ以外は事前情報を仕入れずに見るスタイル。
事実を元にした映画ですが、程よくフィクションを散りばめてあってよかったです。山場もいくつか用意があり、飽きない。
登場人物みんなステロタイプではなく、描き方がうまかった。
1番印象に残ったジャックが本当はいない人なのにはビビったけれども。いないんかい。
しかしながら事実を元にした映画で人死にが出ると暗い気持ちになるね……。
あと東京がとんちきではなくちゃんと東京なのがめちゃくちゃ良かったな〜〜。自分の知ってる東京が出てきてくれてホッとした。
この点だけでも見る価値ある。トンチキではない、ハリウッドの東京ってなかなか見れないし。
どうでもいいですが、ドバイの文字が出てきた瞬間に競馬を思い出したのは自分でもダメだと思った。ドバイとかUAEって聞くとどうしてもさ……。
グランツーリスモ観てきました。
正直なところ、男と男の巨大感情映画だぞ。って言葉に惹かれて見たので、車の話ということすら知らずに見ました。嘘だろって感じですがマジです。自分から興味が湧いたやつ以外は事前情報を仕入れずに見るスタイル。
事実を元にした映画ですが、程よくフィクションを散りばめてあってよかったです。山場もいくつか用意があり、飽きない。
登場人物みんなステロタイプではなく、描き方がうまかった。
1番印象に残ったジャックが本当はいない人なのにはビビったけれども。いないんかい。
しかしながら事実を元にした映画で人死にが出ると暗い気持ちになるね……。
あと東京がとんちきではなくちゃんと東京なのがめちゃくちゃ良かったな〜〜。自分の知ってる東京が出てきてくれてホッとした。
この点だけでも見る価値ある。トンチキではない、ハリウッドの東京ってなかなか見れないし。
どうでもいいですが、ドバイの文字が出てきた瞬間に競馬を思い出したのは自分でもダメだと思った。ドバイとかUAEって聞くとどうしてもさ……。
#ソンエリ
再掲
「ひとつだけ先に言っておきたいことがあって」
そう切り出したエリジウムがソーンズの隣に腰掛ける。ベッドのスプリングが音を立て、軽く触れた肩に小さく息を飲み込んだ。
動揺を悟られないように、ソーンズが「なんだ?」と問いかけると、エリジウムは彼にしては珍しく僅かに言葉に迷うような素振りを見せた後「鉱石病のことなんだけど」と言った。何回も繰り返した議題ではあるが、ソーンズはこの議題を無視も軽んじもしないと決めている。すぐに言葉を発しようとしたソーンズは、しかしエリジウムの手に口を塞がれた。
「待って待って。僕も何度も同じ議論はしないし、君の今までの言葉をなかったことにはしたくないよ。ただ、言ってなかったことがあったと思ってさ」
「……なんだ」
指の隙間から問いかければ「デコレーションのことだよ」とエリジウムは告げた。
そしてソーンズの口から手を離し、服の裾を持ち上げる。
「これ」
何の衒いもなく晒された肌に心臓が跳ねた。通信員としてあれこれと機材を持ち運ぶ必要があるので、エリジウムの身体には程よく筋肉が付いている。それは一見健康な男の身体にしか見えない。しかし布一枚剥いでしまえば、体表に浮かぶ異質な部分がどうしたって目についた。
半透明の黒い鉱石。
ソーンズはゆっくりと息を吐いた後、視線があちこちに飛んでしまいそうになるのをグッと堪えて「体表面の鉱石は、触れても鉱石病に感染しない」と告げた。
「知ってるよ」とエリジウムは応えた。
「その心配じゃなくてさ」
「何の心配だ?」
「これ、鉱石だから硬いんだよ」
エリジウムは黒い鉱石を指先で突いてみせた。
「うっかり触ったら、それだけで皮膚が切れちゃうくらいにはね」
ソーンズは虚を突かれた。そんなことは考えたこともなかったからだ。エリジウムはさらに続けた。
「体表にできたばかりの頃に、うっかり触って指を切ったことがあるんだよ。だから、ほら、その……」
エリジウムがひとつ咳を落とす。
「この後、君がうっかり触って怪我したら困るからさ」
そう告げた声は、いつもの軽快さを欠いている。
ソーンズはパチリと瞬きをした。
そして僅かに考えた後「触っても良いか?」と手を伸ばす。
「鉱石に?」
「ああ」
「良いけど、さっき言ったこと気をつけてね」
「分かっている」
指先で、半透明の黒い鉱石に触れる。確かにエリジウムの言う通り固く、自然と割れたような縁は細かく波打っており、考えなしに触れれば手を傷つけるだろう。
「感覚はあるのか?」
「身体に埋まってるからね。鉱石自体にはないけど、触られると周辺の皮膚が突っ張るような感覚はあるよ」
「例えばうっかり強く押したとして、お前の内臓か周辺の肉や皮膚に傷がつくことは?」
「可能性あるかな。感染生物との交戦で倒れた時にうっかりそこを下にして、内側に響いた感覚があったから」
「そうか」
ソーンズはエリジウムの鉱石から手を離した。
「それなら気をつける」
「それならって」
服を整えたエリジウムが呆れた顔をした。
「君に怪我して欲しくなくて言ったんだけど」
「知っている。その点でも気を付けるが、ただ、俺にはそちらの方が重要だっただけだ」
嘘である。
本当は「切り傷くらいならすぐに治るのは知ってるだろう」という言葉がソーンズの口から出かかった。彼がその体表に出来た不本意なデコレーションのせいでソーンズが傷付くことを恐れ、無意識にか意識的にか引いた線の内に、踏み込むような言葉であった。
エリジウムに触ることができない方が嫌だと。
けれどそれはソーンズのエゴだ。そして同時に、我を通し彼を傷つけるほど暴力的になることをソーンズは良しとしない。それをしたとして、エリジウムがどんな顔をするか、想像は出来なかったが、見たいとも思わなかった。
「他に何か言いたいことはあるか?」
ソーンズの言葉に、少しだけ眉根を寄せたエリジウムが首を横に振った。
「ないよ」
「触れても?」
返事の代わりに、ひとつ、エリジウムから軽い口付けが落とされた。それに応えながら服の裾から手を滑り込ませれば僅かに硬い感触があり、その感触に鉱石病への苛立ちを覚えながらも、ソーンズはそれを避けて強くエリジウムの身体をかき抱いた。
至近距離で見つめたリーベリは笑っており、ソーンズはふと、その顔が見たかったのだと思い至った。
これがソーンズの恋だった。
▲たたむ
再掲
「ひとつだけ先に言っておきたいことがあって」
そう切り出したエリジウムがソーンズの隣に腰掛ける。ベッドのスプリングが音を立て、軽く触れた肩に小さく息を飲み込んだ。
動揺を悟られないように、ソーンズが「なんだ?」と問いかけると、エリジウムは彼にしては珍しく僅かに言葉に迷うような素振りを見せた後「鉱石病のことなんだけど」と言った。何回も繰り返した議題ではあるが、ソーンズはこの議題を無視も軽んじもしないと決めている。すぐに言葉を発しようとしたソーンズは、しかしエリジウムの手に口を塞がれた。
「待って待って。僕も何度も同じ議論はしないし、君の今までの言葉をなかったことにはしたくないよ。ただ、言ってなかったことがあったと思ってさ」
「……なんだ」
指の隙間から問いかければ「デコレーションのことだよ」とエリジウムは告げた。
そしてソーンズの口から手を離し、服の裾を持ち上げる。
「これ」
何の衒いもなく晒された肌に心臓が跳ねた。通信員としてあれこれと機材を持ち運ぶ必要があるので、エリジウムの身体には程よく筋肉が付いている。それは一見健康な男の身体にしか見えない。しかし布一枚剥いでしまえば、体表に浮かぶ異質な部分がどうしたって目についた。
半透明の黒い鉱石。
ソーンズはゆっくりと息を吐いた後、視線があちこちに飛んでしまいそうになるのをグッと堪えて「体表面の鉱石は、触れても鉱石病に感染しない」と告げた。
「知ってるよ」とエリジウムは応えた。
「その心配じゃなくてさ」
「何の心配だ?」
「これ、鉱石だから硬いんだよ」
エリジウムは黒い鉱石を指先で突いてみせた。
「うっかり触ったら、それだけで皮膚が切れちゃうくらいにはね」
ソーンズは虚を突かれた。そんなことは考えたこともなかったからだ。エリジウムはさらに続けた。
「体表にできたばかりの頃に、うっかり触って指を切ったことがあるんだよ。だから、ほら、その……」
エリジウムがひとつ咳を落とす。
「この後、君がうっかり触って怪我したら困るからさ」
そう告げた声は、いつもの軽快さを欠いている。
ソーンズはパチリと瞬きをした。
そして僅かに考えた後「触っても良いか?」と手を伸ばす。
「鉱石に?」
「ああ」
「良いけど、さっき言ったこと気をつけてね」
「分かっている」
指先で、半透明の黒い鉱石に触れる。確かにエリジウムの言う通り固く、自然と割れたような縁は細かく波打っており、考えなしに触れれば手を傷つけるだろう。
「感覚はあるのか?」
「身体に埋まってるからね。鉱石自体にはないけど、触られると周辺の皮膚が突っ張るような感覚はあるよ」
「例えばうっかり強く押したとして、お前の内臓か周辺の肉や皮膚に傷がつくことは?」
「可能性あるかな。感染生物との交戦で倒れた時にうっかりそこを下にして、内側に響いた感覚があったから」
「そうか」
ソーンズはエリジウムの鉱石から手を離した。
「それなら気をつける」
「それならって」
服を整えたエリジウムが呆れた顔をした。
「君に怪我して欲しくなくて言ったんだけど」
「知っている。その点でも気を付けるが、ただ、俺にはそちらの方が重要だっただけだ」
嘘である。
本当は「切り傷くらいならすぐに治るのは知ってるだろう」という言葉がソーンズの口から出かかった。彼がその体表に出来た不本意なデコレーションのせいでソーンズが傷付くことを恐れ、無意識にか意識的にか引いた線の内に、踏み込むような言葉であった。
エリジウムに触ることができない方が嫌だと。
けれどそれはソーンズのエゴだ。そして同時に、我を通し彼を傷つけるほど暴力的になることをソーンズは良しとしない。それをしたとして、エリジウムがどんな顔をするか、想像は出来なかったが、見たいとも思わなかった。
「他に何か言いたいことはあるか?」
ソーンズの言葉に、少しだけ眉根を寄せたエリジウムが首を横に振った。
「ないよ」
「触れても?」
返事の代わりに、ひとつ、エリジウムから軽い口付けが落とされた。それに応えながら服の裾から手を滑り込ませれば僅かに硬い感触があり、その感触に鉱石病への苛立ちを覚えながらも、ソーンズはそれを避けて強くエリジウムの身体をかき抱いた。
至近距離で見つめたリーベリは笑っており、ソーンズはふと、その顔が見たかったのだと思い至った。
これがソーンズの恋だった。
▲たたむ
https://simblo.net/u/WKZXBT/post/15826
好きな作家さんがタイッツーに日常アカウント取られたらしいので、気になってはいるんですが、これだと読んだ本の話や映画の話が出来ないからアカウント取るのも躊躇われるな……。になる。やっぱり合わない気しかしない。
今、鵼のおかげで京極夏彦作品読み返してるしさ……。めちゃくちゃ政治や宗教の話をするぞ京極夏彦作品は……。
というか政治のことなんて日常のことなんだからええやろ別に。としか思わんな……。宗教も別に日常的にそこにあるものやろ。
好きな作家さんがタイッツーに日常アカウント取られたらしいので、気になってはいるんですが、これだと読んだ本の話や映画の話が出来ないからアカウント取るのも躊躇われるな……。になる。やっぱり合わない気しかしない。
今、鵼のおかげで京極夏彦作品読み返してるしさ……。めちゃくちゃ政治や宗教の話をするぞ京極夏彦作品は……。
というか政治のことなんて日常のことなんだからええやろ別に。としか思わんな……。宗教も別に日常的にそこにあるものやろ。
善く在る、倫理的に在る、理性的に在る、正しく在る、そうしたことの方が難しいし、難しい環境になってるし、なんなら適当に普通に生きていたら善くは在れないのに、創作やらなんやらで犯罪起こして「や、やったぞ!出来た!」ってなんかすごいことをやり遂げたように喜んでるの、普通に世界が見えてなくてダサいな……って思う。
とは言え難しいよなあ。己が正しいと感じて陰謀論に呑まれたり他者を馬鹿にしたりするんだし。
過去、別ジャンルやってた時に私の同人誌に値段を変えろ他の人と揃えろって言ってきた人も多分己が正しいと思って言ってきたと思うし。なんかそういう小さい部分とかでもあるんだよなあ。
私だってずっと道を踏み外してないか怖いよ。
とは言え難しいよなあ。己が正しいと感じて陰謀論に呑まれたり他者を馬鹿にしたりするんだし。
過去、別ジャンルやってた時に私の同人誌に値段を変えろ他の人と揃えろって言ってきた人も多分己が正しいと思って言ってきたと思うし。なんかそういう小さい部分とかでもあるんだよなあ。
私だってずっと道を踏み外してないか怖いよ。
#アガガプ
ガープの家系魔術、その見た目に関するものだったのが、ある日突然、魔神様の気まぐれで風を与えようって言われたのかな。
これ多分祖先めちゃくちゃ苦労しただろうな。
その上で、己のなりたい姿になれたんだからこれを手放してなるものかと死に物狂いで頑張ったんだろうな。
人間ifのアガガプはその見た目がどうであれ受け入れることを是とした話だったけど、「ガープ」がそうありたいと願って家系魔術をある意味では捨てて風を使えるようになってまで願った姿が好きなアガレスの話も書きたいな。
なんでも良いではなく、その姿が良い。というアガガプ。
お前であれば姿はなんでも良い。とお前が欲を叶えるために保ち続けるその姿が良い。の違い。
▲たたむ
ガープの家系魔術、その見た目に関するものだったのが、ある日突然、魔神様の気まぐれで風を与えようって言われたのかな。
これ多分祖先めちゃくちゃ苦労しただろうな。
その上で、己のなりたい姿になれたんだからこれを手放してなるものかと死に物狂いで頑張ったんだろうな。
人間ifのアガガプはその見た目がどうであれ受け入れることを是とした話だったけど、「ガープ」がそうありたいと願って家系魔術をある意味では捨てて風を使えるようになってまで願った姿が好きなアガレスの話も書きたいな。
なんでも良いではなく、その姿が良い。というアガガプ。
お前であれば姿はなんでも良い。とお前が欲を叶えるために保ち続けるその姿が良い。の違い。
▲たたむ
#フルジャズ
未満。
学生への性的画像閲覧強要が含まれます。
フラッシュバック等の危険を感じる方は閲覧をおやめください。
24/12/15追記:文章めちゃくちゃなんですが、直すに直せないのですみません。と先に謝ります。
「ジャズ〜〜〜ちょっとこっち来いよ」
そのダミ声を聞いた途端、ジャズはあからさまに顔を顰めた。呼ばれた先には酒を飲み楽しそうにゲラゲラと笑う客がいる。フルフルに騙されこの店で働くのも2週間目ともなれば、嫌でも馴染みの客というのは出来てしまう。今回呼ばれたテーブルに座っていたのは、あからさまな素人をこの店に引き摺り込んでイカサマを働くみみっちい客で、態度のデカさの割に安くて度数の高い酒をちびちび飲んで騒ぐため、他の従業員からの覚えも良くない。
「……なんすか」
重い足を引き摺りながら、ジャズは彼の席に近づいた。近づいた途端に肩を組まれて引き寄せられ、酒臭い息を吹きかけられる。
「注文ないなら仕事に戻りたいんすけど」
「まあそう言うなよ。いいもん見せてやるからさ」
はあ? とジャズが口にする前に、目の前に男のス魔ホが突き付けられた。そこに映っている映像を理解した瞬間、カッと頭に血が昇る感覚がした。
「なっ………!」
思わず立ち上がったジャズに、男がゲラゲラと笑い転げた。
「なんだあジャズ、お前童貞か?」
客のス魔ホに映っていたのはいわゆるポルノ動画と呼ばれるものだった。一目でそうとわかる扇状的な姿で身体を揺らし、嬌声を響かせる。
ジャズは男を睨み付けた。ジャズとてその手の映像を見たことがないわけでない。兄の所有物をこっそりと再生したこともある。しかしまさかこんなところでいきなり見せられるとは思っていなかったのだ。
未だ笑い転げる客を怒鳴りつけてやろうとしたジャズは、しかしふっと暗くなった己の視界に、息を飲んだ。
「何見てんノ〜〜」
にゅうと。
ジャズの背後から伸びてきたのは、鍛えられた赤い腕だ。その手が客のス魔ホを掴む。
「ふうん」
振り向けば、思いの外近い距離にいたのはフルフルだ。彼はス魔ホに映った動画を面白くなさそうに一瞥し、ニパリと笑った。
ゾッと、肌が泡立った。
無意識に逃げようとしたジャズの肩を、フルフルが捉える。
ふと見れば、客はもう笑ってはいなかった。
フルフルが口を開ける。
「ダメヨ〜〜。こんなの見せちゃ。こいつらこれでも現役のバビルスの学生ヨ」
子供悪魔ヨ。とフルフルは言う。そんな子供騙してこんなところで働かせているのは誰だ。という言葉は、しかしジャズの口から出てこなかった。
寒気がする。
「バビルスの生徒はバビルスの宝」
そしてバビルスにはその宝を守る者たちがいる。
「特にこんなもの見せたってバビルスの犬に知られたラ」
どうなるか。
「わかっててやってるよ、ネ」
場が凍った。
「すんませんでした!!!!!」
真っ先に動いたのはジャズに動画を見せた客だった。土下座をし、床を舐めんばかりである。
「謝るのは俺にじゃなくてバビルスの宝にヨ〜〜。まあ良い機会だし」
いつの間にいたのか、他の従業員が客を取り囲んでいる。
「今までのことも合わせて、ちょっと怒られてきたら良いヨ〜〜」
「あ」
ああああああ。と情けない声を上げながら、客が引きずられていく。ジャズはその姿が店の奥に消えたのを見届けた後、フルフルを見上げた。
兄の同類の悪魔の顔が、やはり思ったより近い位置にある。
「な、に」
ジャズは思わず身構えた。てっきり揶揄われるものだと思ったのだ。
しかし予想に反して、フルフルは何も言わなかった。ただやはり面白くなさそうな顔をしたままジャズから離れ、そのまま店の外に出てしまった。
なんだったんだ。とクエスチョンマークを浮かべるジャズのそばに、アロケルが近づいてきた。「大丈夫カ」
「あ、うん」
「ジャズ」
呼ばれて顔を上げれば、マスターが手招きをしている。呼ばれるがままに近づけば、そのまま少しの間をおいた後、大丈夫?と言った。
「いや大丈夫ですけど、なんすか」
「悪かったなと思ってさ。客のセクハラ止めらんなかったのは俺の責任だからさあ」
「別にあれくらい」
「あれくらいじゃないでしょ」
「そう思うなら、俺らが他の客に殴られそうになった時にも助けて下さいよ」
言えば、マスターはわははと笑った。
笑って、今日はもう二人とも下がって良いよ。と言った。
「そんで、次からあの手の手合いは俺らに言って。ここは賭けも詐欺もイカサマも許可してるけど、客へのお触りやその他のセクハラは全面禁止だから。そういう店じゃないし、そういう店でもあれはルール違反だけどね」
今日は早めに寝なね。と言って、マスターはジャズとアロケルの背を押した。
二人はそれに逆らわずに客が連れられて行った方とは別の部屋に引っ込んだ。
その気配がすっかりと消えたのを確認し、マスターは己のス魔ホを懐から取り出した。
連絡先はフルフルだ。
電話はせず、文章のみで簡単に報告を済ませ一息吐く。
慣れないことだとマスターは思う。正直なところ、疲れるのだ。しかし同時に、子供を預かると決めたのは自分だも思う。子供悪魔にはいささか不適切な環境での特訓だが、バビルスとの連携はきっちりとしている。
故に、ルールは普段よりも厳格で、もちろん客にもそれを伝えて納得ずくで守らせている。故に今日の客の行為は店側からすれば予想外だった。そうしたルール破りの後、何が起こるかわかっていて破る客はそうそういないからだ。失敗したと思う。本来ならそうしたことが起きる前に防がねばならぬ出来事だった。
フルフルからしてもそうだっただろう。
良い師匠だよ。と思いながら、マスターはちょうどス魔ホを震わせたフルフルからの返信を確認した。
脳裏に浮かぶのは先程見たばかりの馴染みの軍人の顔だ。あれはよほど腹に据えかねているのだろう。あんな顔は初めて見た。それを引き出したのがちんちくりんの子供悪魔であるのがいささかおかしいが、しかし師匠とはそういうものかと思いながら、マスターはちょうど扉を開けて入ってきた客に向き直った。
師匠以外の理由があったのだと知るのは、それから十数年後のことだった。
書いたは良いけど普通に最悪シチュエーションだな……と思ったので供養。
フルフルが子供に手を出すかと言われるとあの悪魔普通に利害や損得計算きっちりしてその上で動くだろ。って思うので手は出さないし、子供にそうした興味も全くもたなさそう(むしろ子供は面倒と思いそう)とは思うので、まあくっつくにしてもよほどのことがない限りなさそう。とは思いつつ、書きたいからお試しで書いたやつ。
最初は複数人の客が恋人の際どい写真を仲間内で回してゲラゲラ笑っているという最悪コミュニケーションに巻き込まれるジャズだったんですが、書いてて最悪モブすぎるし普通に恋人で箔付したホモソちんこチャンバラ書いてて最悪の気分になったのでやめた。なんでわざわざそんな最悪モブ書かなあかんねん。
バビルスの宝でなくとも子供でなくても性別がどうであれセクハラはセクハラなんですが、バビルスって言われて途端にビビるシチュも最悪だなって……その上で子供は守らなければならないんですが
▲たたむ
未満。
学生への性的画像閲覧強要が含まれます。
フラッシュバック等の危険を感じる方は閲覧をおやめください。
24/12/15追記:文章めちゃくちゃなんですが、直すに直せないのですみません。と先に謝ります。
「ジャズ〜〜〜ちょっとこっち来いよ」
そのダミ声を聞いた途端、ジャズはあからさまに顔を顰めた。呼ばれた先には酒を飲み楽しそうにゲラゲラと笑う客がいる。フルフルに騙されこの店で働くのも2週間目ともなれば、嫌でも馴染みの客というのは出来てしまう。今回呼ばれたテーブルに座っていたのは、あからさまな素人をこの店に引き摺り込んでイカサマを働くみみっちい客で、態度のデカさの割に安くて度数の高い酒をちびちび飲んで騒ぐため、他の従業員からの覚えも良くない。
「……なんすか」
重い足を引き摺りながら、ジャズは彼の席に近づいた。近づいた途端に肩を組まれて引き寄せられ、酒臭い息を吹きかけられる。
「注文ないなら仕事に戻りたいんすけど」
「まあそう言うなよ。いいもん見せてやるからさ」
はあ? とジャズが口にする前に、目の前に男のス魔ホが突き付けられた。そこに映っている映像を理解した瞬間、カッと頭に血が昇る感覚がした。
「なっ………!」
思わず立ち上がったジャズに、男がゲラゲラと笑い転げた。
「なんだあジャズ、お前童貞か?」
客のス魔ホに映っていたのはいわゆるポルノ動画と呼ばれるものだった。一目でそうとわかる扇状的な姿で身体を揺らし、嬌声を響かせる。
ジャズは男を睨み付けた。ジャズとてその手の映像を見たことがないわけでない。兄の所有物をこっそりと再生したこともある。しかしまさかこんなところでいきなり見せられるとは思っていなかったのだ。
未だ笑い転げる客を怒鳴りつけてやろうとしたジャズは、しかしふっと暗くなった己の視界に、息を飲んだ。
「何見てんノ〜〜」
にゅうと。
ジャズの背後から伸びてきたのは、鍛えられた赤い腕だ。その手が客のス魔ホを掴む。
「ふうん」
振り向けば、思いの外近い距離にいたのはフルフルだ。彼はス魔ホに映った動画を面白くなさそうに一瞥し、ニパリと笑った。
ゾッと、肌が泡立った。
無意識に逃げようとしたジャズの肩を、フルフルが捉える。
ふと見れば、客はもう笑ってはいなかった。
フルフルが口を開ける。
「ダメヨ〜〜。こんなの見せちゃ。こいつらこれでも現役のバビルスの学生ヨ」
子供悪魔ヨ。とフルフルは言う。そんな子供騙してこんなところで働かせているのは誰だ。という言葉は、しかしジャズの口から出てこなかった。
寒気がする。
「バビルスの生徒はバビルスの宝」
そしてバビルスにはその宝を守る者たちがいる。
「特にこんなもの見せたってバビルスの犬に知られたラ」
どうなるか。
「わかっててやってるよ、ネ」
場が凍った。
「すんませんでした!!!!!」
真っ先に動いたのはジャズに動画を見せた客だった。土下座をし、床を舐めんばかりである。
「謝るのは俺にじゃなくてバビルスの宝にヨ〜〜。まあ良い機会だし」
いつの間にいたのか、他の従業員が客を取り囲んでいる。
「今までのことも合わせて、ちょっと怒られてきたら良いヨ〜〜」
「あ」
ああああああ。と情けない声を上げながら、客が引きずられていく。ジャズはその姿が店の奥に消えたのを見届けた後、フルフルを見上げた。
兄の同類の悪魔の顔が、やはり思ったより近い位置にある。
「な、に」
ジャズは思わず身構えた。てっきり揶揄われるものだと思ったのだ。
しかし予想に反して、フルフルは何も言わなかった。ただやはり面白くなさそうな顔をしたままジャズから離れ、そのまま店の外に出てしまった。
なんだったんだ。とクエスチョンマークを浮かべるジャズのそばに、アロケルが近づいてきた。「大丈夫カ」
「あ、うん」
「ジャズ」
呼ばれて顔を上げれば、マスターが手招きをしている。呼ばれるがままに近づけば、そのまま少しの間をおいた後、大丈夫?と言った。
「いや大丈夫ですけど、なんすか」
「悪かったなと思ってさ。客のセクハラ止めらんなかったのは俺の責任だからさあ」
「別にあれくらい」
「あれくらいじゃないでしょ」
「そう思うなら、俺らが他の客に殴られそうになった時にも助けて下さいよ」
言えば、マスターはわははと笑った。
笑って、今日はもう二人とも下がって良いよ。と言った。
「そんで、次からあの手の手合いは俺らに言って。ここは賭けも詐欺もイカサマも許可してるけど、客へのお触りやその他のセクハラは全面禁止だから。そういう店じゃないし、そういう店でもあれはルール違反だけどね」
今日は早めに寝なね。と言って、マスターはジャズとアロケルの背を押した。
二人はそれに逆らわずに客が連れられて行った方とは別の部屋に引っ込んだ。
その気配がすっかりと消えたのを確認し、マスターは己のス魔ホを懐から取り出した。
連絡先はフルフルだ。
電話はせず、文章のみで簡単に報告を済ませ一息吐く。
慣れないことだとマスターは思う。正直なところ、疲れるのだ。しかし同時に、子供を預かると決めたのは自分だも思う。子供悪魔にはいささか不適切な環境での特訓だが、バビルスとの連携はきっちりとしている。
故に、ルールは普段よりも厳格で、もちろん客にもそれを伝えて納得ずくで守らせている。故に今日の客の行為は店側からすれば予想外だった。そうしたルール破りの後、何が起こるかわかっていて破る客はそうそういないからだ。失敗したと思う。本来ならそうしたことが起きる前に防がねばならぬ出来事だった。
フルフルからしてもそうだっただろう。
良い師匠だよ。と思いながら、マスターはちょうどス魔ホを震わせたフルフルからの返信を確認した。
脳裏に浮かぶのは先程見たばかりの馴染みの軍人の顔だ。あれはよほど腹に据えかねているのだろう。あんな顔は初めて見た。それを引き出したのがちんちくりんの子供悪魔であるのがいささかおかしいが、しかし師匠とはそういうものかと思いながら、マスターはちょうど扉を開けて入ってきた客に向き直った。
師匠以外の理由があったのだと知るのは、それから十数年後のことだった。
書いたは良いけど普通に最悪シチュエーションだな……と思ったので供養。
フルフルが子供に手を出すかと言われるとあの悪魔普通に利害や損得計算きっちりしてその上で動くだろ。って思うので手は出さないし、子供にそうした興味も全くもたなさそう(むしろ子供は面倒と思いそう)とは思うので、まあくっつくにしてもよほどのことがない限りなさそう。とは思いつつ、書きたいからお試しで書いたやつ。
最初は複数人の客が恋人の際どい写真を仲間内で回してゲラゲラ笑っているという最悪コミュニケーションに巻き込まれるジャズだったんですが、書いてて最悪モブすぎるし普通に恋人で箔付したホモソちんこチャンバラ書いてて最悪の気分になったのでやめた。なんでわざわざそんな最悪モブ書かなあかんねん。
バビルスの宝でなくとも子供でなくても性別がどうであれセクハラはセクハラなんですが、バビルスって言われて途端にビビるシチュも最悪だなって……その上で子供は守らなければならないんですが
▲たたむ
https://www.b-boy.jp/comics/206848
ディアマイキラーチューン試し読みで面白そうだな。と思いましたがファンとアイドルのBLがあまり得意ではないので買うかどうか迷う。恋愛に消費が混ざるのが苦手なんだな……。混ざらなければ平気。
レビュー見て決めようかな。
ゼニコ先生激推しはめちゃくちゃわかる。
ディアマイキラーチューン試し読みで面白そうだな。と思いましたがファンとアイドルのBLがあまり得意ではないので買うかどうか迷う。恋愛に消費が混ざるのが苦手なんだな……。混ざらなければ平気。
レビュー見て決めようかな。
ゼニコ先生激推しはめちゃくちゃわかる。
https://80c.jp/restaurant/20210914-1.htm...
こちらの記事を読んで食べたかった月餅をようやくお取り寄せしました!!!!!
めちゃくちゃ美味しいし思ってたより大きくて具がみっしり詰まっていて最高です!!!!!
金銀肉月を早速いただいたんですが、甘い蜜でコーティングされた木の実とXOの匂いがふんわりと漂う金華ハムの相性がバツグンでめちゃくちゃ美味しい……。
確かに伍仁甜月の方が万人受けしそうだけど、この香りと味が唯一無二なのわかる……。
ちなみに今は記事より2割くらい値上がりしていました。円安を感じる。
こちらの記事を読んで食べたかった月餅をようやくお取り寄せしました!!!!!
めちゃくちゃ美味しいし思ってたより大きくて具がみっしり詰まっていて最高です!!!!!
金銀肉月を早速いただいたんですが、甘い蜜でコーティングされた木の実とXOの匂いがふんわりと漂う金華ハムの相性がバツグンでめちゃくちゃ美味しい……。
確かに伍仁甜月の方が万人受けしそうだけど、この香りと味が唯一無二なのわかる……。
ちなみに今は記事より2割くらい値上がりしていました。円安を感じる。
鵼の碑
読み終わったよ。※巷説シリーズの話をずっとしている
了巷説に繋がるとは思っていたけれど、了巷説が出る前に、むしろ出る前だからこそなのかな。妖怪の終わりを告げられるとは思わなかった……。
私は巷説が1番好きシリーズなので寂しい。し、笹村さんの話も読みたかったな。と思ったけど、よく考えたらどっかで巷説の流れを組んだスピンオフ企画があるって言ってなかったか?
どう見ても笹村さんここで終わるキャラじゃなさそうだし、もしかしてスピンオフ用に作ったキャラクターなんだろうか……。
了でなんか予告あるのかな……。
というか了の最終話が野宿の火だけど、あの屋敷の話になるんだろうか。出産の話もしてたし、おぎん→おりん→小夜の出産の話出るかもなあ……。
というか小夜の子も殺されたのか……。おりんの死に様も惨いものだったし、了でもキャラ死ぬらしいから(単行本待ち)すでに辛い。
▲たたむ
読み終わったよ。※巷説シリーズの話をずっとしている
了巷説に繋がるとは思っていたけれど、了巷説が出る前に、むしろ出る前だからこそなのかな。妖怪の終わりを告げられるとは思わなかった……。
私は巷説が1番好きシリーズなので寂しい。し、笹村さんの話も読みたかったな。と思ったけど、よく考えたらどっかで巷説の流れを組んだスピンオフ企画があるって言ってなかったか?
どう見ても笹村さんここで終わるキャラじゃなさそうだし、もしかしてスピンオフ用に作ったキャラクターなんだろうか……。
了でなんか予告あるのかな……。
というか了の最終話が野宿の火だけど、あの屋敷の話になるんだろうか。出産の話もしてたし、おぎん→おりん→小夜の出産の話出るかもなあ……。
というか小夜の子も殺されたのか……。おりんの死に様も惨いものだったし、了でもキャラ死ぬらしいから(単行本待ち)すでに辛い。
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今年の一冊目は数は無限の名探偵にした。
アンソロジー形式でいろんな話が楽しめる上に、小説4、漫画1で普段小説読まない子にもとっつきやすい感じ。
さらに創刊号なだけあって、作家が豪華。児童向け数学ミステリに呼ぶならこの人だろうってのを分かってるラインナップ。
去年発売なのが少し気になるところですが、一冊完結なのであえての選出です。
児童書って意外に続き物多いから。
https://publications.asahi.com/ecs/detai...
2冊目3冊目はなんにしようかな〜〜。次はシリーズものでいくかな。
男の子向けなら電車で行こうの最新刊が安定だと思うんですが、発行ペースが厳格で、多分12月に新刊出るからそれ待ち。
https://miraibunko.jp/book/978-4-08-3210...
女の子向けは去年四つ子暮らしシリーズにしたからな〜〜。
低学年向けならカービイが強いんですが、こっちも新刊が12月に出そうだからな……
https://tsubasabunko.jp/product/kirby/